「この指輪の外に愛は無い」——メレリオのマリッジリング《アネル》

「この指輪の外に愛は無い」——メレリオのマリッジリング《アネル》

1613年創業のフランスのジュエリーメゾン、メレリオは、ジューンブライドの季節にふさわしいマリッジリングコレクション《アネル》をご紹介します。

《アネル》は、フランス国王ルイ9世と王妃マルグリット・ド・プロヴァンスにまつわる逸話に着想を得たコレクションです。1234年、ルイ9世は王妃へ贈ったリングに、古いフランス語で次の言葉を刻みました。

“Hors cest annel point n'ay d'amour”
「この指輪の外に愛は無い」

ルイ9世自身もまた、外側に同じ言葉を、内側に「永遠の神、フランス、マルグリット」と刻んだリングを身に着けていたといわれています。言葉を刻んだリングは“ポージーリング”と呼ばれ、その後、世界へと広まりました。

ルイ9世とマルゲリート・ド・プロヴァンス

ルイ9世とマルグリット・ド・プロヴァンスの結婚は、王家の歴史のなかにありながら、深い情愛に結ばれた物語として伝えられています。

ルイ9世の母は、息子が王としての確固たる地位を築くうえで、女性の存在は障害になると考えていました。しかし、跡継ぎを残すために結婚は避けられず、敬虔なカトリックとして知られていたマルグリットとの結婚が進められます。

実際のマルグリットは、眩いほどに美しく、教養ある女性だったといわれています。ルイ9世は結婚式で初めて彼女と対面し、恋に落ちました。その後、ふたりは互いに愛人を持つことなく寄り添い、9人の子どもをもうけたと伝えられています。

また、母がふたりで過ごすことを好まなかったため、夫婦でありながら隠し部屋などで密かに会っていたという逸話も残されています。ふたりの結婚を象徴するリングは、揺るぎない結びつきの象徴として語り継がれることになりました。

メレリオが受け継いだ《アネル》の記憶

このルイ9世とマルグリット王妃の物語に心を動かされたメレリオは、1895年、同じ言葉を刻んだリングを発表しました。

当時のメレリオの3人兄弟は、それぞれの夫婦の名前と結婚日を内側に刻んだアネルリングを大切にしていたといわれています。そして2007年、その孫にあたる14代目オリビエ・メレリオにより、《アネル》コレクションは現代に蘇りました。

現在の《アネル》コレクションのもととなった1895年当時のデザイン画には、リングをめぐる言葉と装飾の美しさが残されています。

王と王妃のリングから、メレリオ家の記憶へ。
《アネル》は、長い時を経て現代に受け継がれた、メレリオならではのマリッジリングコレクションです。

ジューンブライドにふさわしい、静かな誓いのリング

6月は、結婚や愛の誓いに思いを寄せるジューンブライドの季節。

《アネル》は、華やかな装飾だけで語るリングではありません。そこに刻まれた言葉、受け継がれてきた歴史、そして円が象徴する愛・永遠・調和の意味によって、ふたりの結びつきを静かに物語ります。

また、古くには左手の薬指に心臓へ直接つながる静脈があると信じられており、そこにリングを嵌めることで愛をつなぎとめることを願ったと伝えられています。

日々の暮らしに自然になじむ端正な佇まいのなかに、メレリオならではの歴史と美意識を宿す《アネル》。
長い歳月をともにするリングだからこそ、その背景にある物語まで大切にしたい。

《アネル》は、ふたりの人生に静かに寄り添うマリッジリングです。

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